ファーストフードと添加物は味覚を落とす?!|味覚を落とす調味料

2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは、日本人には喜ばしいことでした。

日本人は、繊細な味覚を持った人種として認められた証拠でもあります。今や世界共通語である「UMAMI」を発見したのは、池田菊苗さんが1908年のこと。

発見されたのは昆布の旨味からだそうです。 もとは、日本特有の概念である「うま味」は世界で通用する言葉になりました。

今回は、そんな日本人を「もっと誇りに思って頂きたい」、「これからももっとグルメな日本人で居てもらい」のでこの記事でお話しします。

若豆

調理学校卒⇒某ミシュラン和食店⇒海外で寿司経験後、家業を継いだ若大将。現在はライターと寿司屋の4代目若として活動中。

ここでは、初心者から料理上達を目指す方まで、料理の楽しさから便利になる豆知識・基礎やプロの技まで、料理に関する有益な情報を投稿中。


日本人の実力

慶大発VBのAISSY株式会社の外国人100人と日本人100人に対して「味覚力調査」を行ったところ外国人の正答率37%に対して、日本人の正答率は71%と言う倍以上の正答率の結果が出た事例があります。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000012897.html

「味覚力調査」は、調査対象者に飲料サンプルを飲んでもらい、それが甘味・塩味・酸味・苦味・旨味・無味の6種類のうちどれかを言い当ててもらうということを6回繰り返します。

日本人の味覚は、こんなにも「繊細」で「確か」であります。

昆布やかつお節から出汁を取る文化・酢の物から焼き物、煮物、生食まで様々な料理が存在する日本食文化。

日本人として忘れずに自慢したいところですね!

食のファーストフード化

外食産業にマクドナルドなどのファーストフード店を取り入れることを「ファーストフード化」今や「マクドナルド化」とも言います。

労働時間が長く、自炊の時間も栄養バランスを考えた食事をとるのも億劫に思ってしまいがちです。
そんななか注文したすぐに食べることができるファーストフードで済ます生活も少なくありません。

簡単に作れるインスタントやコンビニ弁当なども同じくです。

では、このファーストフードや簡単料理が日本人の「自慢の味覚」にどんな影響があるのかご説明します。

味覚の繊細さを奪う

味覚を感じるのは、舌の上にある「味蕾細胞」を健康に保つ必要があるのですが、医学的には微量金属である「亜鉛」が必須であり、不足するに当たって味を感じにくくなります。

多くのファーストフードやインスタント食品には、この「亜鉛」の吸収を妨げるポリリン酸ナトリウムフィチン酸という食品添加物が含まれます。

味覚障害者にもなる可能性も?

この味蕾細胞機能の低下は、味覚障害にもなります。

日本こうくう・咽頭科学会の調査では、コロナ禍前で毎年24万人の味覚障害患者が出ていたそうです。(2003年頃)

1990年の調査時の約1.8倍に増加していると推測されているそうです。

一人暮らしの食生活の偏りなどから「亜鉛」不足は進んでいます。

「簡単」・「手早く」・「安い」を求める日本

「簡単」・「手早く」・「安い」は、便利な点ではいいことです。

しかし、食においてこの3点は「栄養価とおいしさ」の質を落とします。

簡単

良い食材は、手間を掛けなくても生で召し上がれたり、そのままの方が美味しいし高い栄養価で直接栄養を摂取できるのでいいでしょう。

しかし、そこそこの食材や物が悪いと食材の臭みやえぐみが多く「美味しい料理」とは言えない場合があります。

安い

いい食材と値段は、比例します。 収穫したり、栽培するのに手間や費用がかかるからです。

魚を例にとってみると「旬で脂の乗っている魚」は、価値があり高値で取引されます。
脂の乗った魚は、栄養を蓄えており健康的にも有利です。

「良いものは高く、悪いものは安い」これは当たりまえのことです。
安さを求めるのはいいことですが、相応のものであると考える方がいいでしょう。

手早く

注文したらすぐに出てくる料理。待たせない料理は、ストレスもなく便利ではあります。

しかし、「加熱しっぱなし」だったり、「パック詰め」だったりします。

食材は、収穫してから栄養価旨味は落ち始めます。
魚なら活〆にしてから、野菜なら茎や木から収穫してから、だんだんと鮮度が落ちていきます。

煮魚や牛丼なら脂や栄養素は煮汁に流れていくし、加熱しっぱなしならお肉・魚はパサパサになります。

パック詰めでは、保存期間を延ばそうと添加物も多く使われています。

「美味しく」「栄養価もある」料理は、待つことも大切で出来立てが一番美味しいでしょう。

家庭にも潜む味覚を落とす調味料

「うまみ調味料」は今やどの家庭にもあると思います。

昆布の旨味「グルタミン酸」、鰹節の旨味「イノシン酸」、椎茸の旨味「グアニル酸」など様々な旨味を人口的に合成したものが「うま味調味料」と言われます。

「味の素」は代表的な商品でアジア各国でもふんだんに使われています。

加工食品のハムやソーセージの成分表示を見ると大抵書いてある。「調味料(アミノ酸等)」と「たんぱく加水分解物」は、うま味の素とされる食品添加物で【化学的なうま味】です。

特に「たんぱく加水分解物」は、加水分解する過程で発がん性物質を生み出すことも知られていてEU諸国では、基準値が定められているくらいです。

今や家庭でも食べなれた固形のコンソメや本だし、日本の先人たちが作り上げユネスコ無形文化遺産になった【和食】はこのような科学的なうま味ではないはずです。
日本人である以上、味覚を落とす行為は出来るだけしたくないですね。

まとめ

蕎麦やお寿司、天ぷら、定食屋さん、日本各地には伝統的な製法や文化を守った料理屋さんが沢山あります。

一律に「ファーストフードは一生やめておけ!」と言っているわけではありませんが、日本人の誇りである味覚は守り続けるべきでしょう。

旅行をしたときだけでもいいのでグルメな気分になって「良いもの」を繊細な舌で味わってみて下さい。

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