和食の定番料理であり、家庭料理でも馴染み深い【煮魚(魚の煮付け)】。
調味料で煮るだけだし、前もって作ったら出す直前に温めるだけなので揚げて時間が経つとシナシナになる揚げ物や焼き物より効率的ですよね。
しかし、いざ作って見ると臭みが残ったり、、、。身崩れしたり、、、。
今回は、煮魚(煮付け)を上達させるコツと家庭で煮て美味しい魚の種類をお話していきます。


若豆
調理学校卒⇒某ミシュラン和食店⇒海外で寿司経験後、家業を継いだ若大将。現在はライターと寿司屋の4代目若として活動中。
ここでは、初心者から料理上達を目指す方まで、料理の楽しさから便利になる豆知識・基礎やプロの技まで、料理に関する有益な情報を投稿中。
煮付けで美味しい魚は?
魚はとてつもない数が居ます。
どんな魚でも煮ることは出来ますが、臭みが強かったり身崩れしやすかったり、脂が少なくて煮るとパサパサになったりする魚もいます。
食材選びからが料理なので個人差はありますが、煮つけで美味しい魚をピックアップしていきます。
- ナメタガレイ
- 金目鯛
- ブリ
- メバル・カサゴ
お手頃は、ナメタガレイ

スーパーでもしばしばみられるのがナメタガレイです。
煮るとふっくら仕上がり、味もある美味しいカレイです。 家庭料理でも使い易い価格で売られていることが多いのでお手頃です。
冬場から春先にかけてが産卵期で子巣を持ち始めます。
子持ちの時期に見かけたら是非買って煮てみて欲しいです。
高級だけど、金目鯛

価格は高めですが、味も最高の魚「金目鯛(キンメダイ)」。
お刺身でも焼いても煮ても美味しいので、煮魚に限らずどの魚料理でも万能に使えて且つ美味しい。
牛蒡や椎茸を添えて一緒に煮てもOK!!
産地で有名なのは、千葉の銚子・勝浦や静岡の伊豆ですね。
産地を見て名産の金目鯛があれば買いですね。
安定の鰤(ブリ)

近年では、10月後半から12月にかけて北海道でも水揚げされるようになりましたね。養殖もあり、安定的に脂ものって馴染みのある魚です。
ブリは照り焼きでもいいですし焼いても美味しいですが、煮ても美味しい魚です。
人気のブリの煮魚料理は「ブリ大根」ですね。
ホロッととろけるメバル・カサゴ

カサゴやメバルは、スーパーや鮮魚店でも買える安価の煮魚です。
スーパーでは小さい魚体で1匹売りで店頭に並んでいるので、1匹丸で買います。
腸(はらわた)と鰓(えら)を出して煮る必要があるので、下ごしらえは少し大変になりますね。しかし、味も食感も煮魚向きの魚で、煮込むとホロッと溶ける歯ごたえで最高に美味しいです。
※鮮魚店なら腸を出してほしいと言えばやってくれる場所もあると思います。お店によりけりなので注意です。
※カサゴの背びれには、毒があるので注意が必要です。
ハサミで先に切り落としてから下ごしらえを進めましょう。
煮魚の黄金比
今回は、家庭でも上記でおススメした魚が美味しく煮れるように定番の甘めの黄金比を紹介していきます。
水:酒:みりん:濃口醤油:砂糖=0.5:1:1:1:1
大抵の魚はこれで煮れてしまう黄金比です。
上達してきたら魚によってレシピを変えるのもいいでしょう。
これに生姜やネギ頭で香り付けして、最後に白髪ねぎを載せるのが定番の煮魚です。
煮魚を作る時のポイント

「黄金比を合わせて煮るだけ」と簡単に思えますが、実際やってみると身崩れや臭みが残ったりしたことがある方もいるかと思います。
煮魚には、3つ大事なポイントがあります。
- 霜降りを丁寧に
- 煮立った後に魚を入れる
- 基本は8分!! 煮すぎに注意!!
この3点が特に重要です。
【ポイントその1】霜降り(下茹で)を丁寧に!

霜降り(下茹で)の工程は、料理の下ごしらえではとても重要な作業です。
ここでは、食材に火を入れるわけではなく、表面の汚れやウロコ・臭みを洗い流してあげると共に脂が強い魚の場合に余分な脂を抜いてあげることで味が程よく染み込みやすくもなります。
周りだけ霜をふった後に、冷水に落として優しく手で洗います。
身崩れしてくる魚もあるので穴あきのお玉や揚げ物で使うかす揚げがあると便利です。
☝料理をするなら持っておきたい調理器具
【ポイントその2】煮立った後に魚を入れる
魚は長く火を入れると必要な脂まで抜けてパサついたり、身崩れします。
常温~100℃に上がるまでの時間は無駄なので、
100℃に煮立った後に魚を入れるのを忘れないようにしましょう。
【ポイントその3】基本は8分!! 煮すぎに注意!!

魚の種類や魚体の大きさによっても異なりますが、私若豆は、基本煮魚は8分です。
細かく話すと6~8分で様子をみます。
焼き物みたいにすぐに焦げる心配がないのでついつい見落としてしまいがちですが、長く煮すぎてしまうと魚の脂が抜け出てしまうのでパサパサに仕上がってしまいます。
ここで、よく勘違いしている人がいるので煮魚(煮付け)についてお話します。
基本「煮魚」「煮付け」は、中まで染み込ませることはありません。
周りに味が程よく染み込んだ魚を箸でほぐして煮汁に軽く漬けてから食べるのが煮魚(煮付け)の食べ方です。
中まで染み込ませようと煮込み続けると味はどんどん濃くなり魚はパサパサになってしまいます。
煮る時間は非常に重要で、家庭の調理環境を考慮して8分が基本といいましたが、6分でも十分ではあります。
落し蓋は必要??
正直、落し蓋が無ければいけないわけではありません。
火加減を調節して煮汁が吹きあがってきます。 吹きこぼれない程度で火加減を調整することで魚全体を煮ることが出来るので落し蓋は必須ではないと私は思います。
まとめ
煮魚(煮付け)の黄金比から煮て美味しい魚を4つほどピックアップしてお伝えしました。
煮て美味しい魚、
- ナメタガレイ
- 金目鯛
- ブリ
- メバル・カサゴ
煮魚の3つ大事なポイント、
- 霜降りを丁寧に
- 煮立った後に魚を入れる
- 基本は8分!! 煮すぎに注意!!
食材選びから下茹で、そして煮る時間。ポイントを掴んで是非ご自身の自炊生活でも試して見て下さい。



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