プロが語るIHとガスコンロの違い|IHとガスではここが違う

今や料理における加熱の調理器具は、多種多様です。

その中でも必要不可欠なのが「コンロ」です。 「IHコンロがいいのか?ガスコンロがいいのか?」を考える人はとても多く、料理好きや料理ずぼらなど料理の価値観では選択枠も変わります。

今回は、IHでもガスでももちろん料理は作れますが、
料理においてIHコンロとガスコンロでは何が違うのかをお話します。

IHとガスコンロ比較

まずはじめにIHとガスの調理の実験結果をもとに見ていきましょう。
長久手Studioの調査によると煮る・焼く・炒めると調理工程での加熱時間と食べた感想が異なるようです。

引用:長久手Studio

IHは液体物を加熱するのには早く加熱できるのに対して、ガスは焼く炒める料理が早く加熱できる傾向にあるのが見てわかります。

料理の味わいは、ガスで加熱した料理の方が美味しい印象を持った感想が強く感じられます。

そこには大きな理由が有ります。その理由とメリット・デメリットを見ていきましょう。

IHとガスコンロの大きな違い

実際のところガスコンロの熱効率が約40%~55%に対して、IHコンロは約90%と倍くらいの差があるのは事実です。

しかし、なぜ「沸かす・煮る」と「焼く・炒める」で速さの違いがあるのでしょう。
そこに大きな理由が有ります。

IHとガスコンロの大きな違いは、【ただ加熱する】【遠赤外線加熱がある】かの違いです。

遠赤外線といってもピンとこないと思います。

わかりやすく話すと、ガスコンロの前で料理をしていると暑くて汗が噴き出る経験をしたことがあると思います。
わかりやすお話するとこれが「遠赤外線の効果」です。

この線赤外線は、炭火がより強いと言われていて約8kw
BBQで炭火を使う時に団扇で仰いでも遠赤外線の熱は、風があっても流れていきません。

ガス火にももちろんこの遠赤外線がりあり、約2kwです。

遠赤外線とIHと料理

遠赤外線は、食材の表面から加熱してくので表面の水分を素早く蒸発してくれるので外側をカリッと内側をしっかり焼き上げてくれます。

又、遠赤外線が強いと表面のたんぱく質を一気に焼き固めることが出来るので旨味が逃げにくくなります。 焼き鳥が炭火焼きがいいのは、遠赤外線効果が強い炭火を使用する方が周りがパリッと旨味を逃がさないからです。

IHは、磁力線の働きで鍋自体が発熱します。
磁力発生コイル(誘導加熱コイル)に電流が流れると磁力線が発生し、この磁力線が金属の鍋を通る時、うず電流に変わり鍋の電気抵抗によって、発熱します。

引用:三菱電機
出典:三菱電機

IHは、磁力を使ってフライパンの底面のみを加熱するだけの調理器具です。遠赤外線効果はありません。

しかし、約90%の高い熱効率により早く加熱ができるのがメリットです。
温まりにくい液体物の加熱などは、ガス火より早く沸騰させることが出来ます。

ガスコンロのメリットは?

IHとガスの根本的な違いを話してきましたが、
さらに家庭の料理でメリットデメリットをあげていきたいと思います。

遠赤外線を得られる【美味しい料理】

料理には、ガスコンロがいい理由は「遠赤外線」です。
まさにガスコンロの最大のメリットといえるでしょう。(七輪・炭火焼きなら尚強い)

遠赤外線は、食材の表面から加熱してくので表面の水分を素早く蒸発してくれるので外側をカリッと内側をしっかり焼き上げてくれます。表面のタンパク質を一気に焼き固めてくれるので旨味を逃がすことなく仕上げることができ、動物性の食材(肉や魚)を焼くのにも最適です。

野菜も外をこんがり中をふっくらと焼き上げることが出来るので、本来の甘味や旨味を残せます。

鍋振りができる

ガス火の良いところは、一定の距離を離しても加熱できるので「鍋振り」が可能な点です。

フライパンの中を満遍なく攪拌することで食材をムラなく加熱することも可能です。
とくに中華料理はこれが大事なんですよね。

IHでは、コンロと鍋がIHに接着している必要があるので鍋振りは出来ません。
「鍋振りをしなくても美味しく出来ますよ!」という意見もあります。確かに1人前だけの炒め物であれば何とか混ぜることが出来るでしょう。しかし、2人前、3人前、と量が多くなるとヘラだけで食材をひっくり返すのは大変ですし焼きムラはできやすいです。

ガスコンロのデメリットは?

美味しい料理を作るのには最適なですが、ガスコンロには大変な点もあります。

掃除が大変

ガスコンロのデメリットで日常的な点は、掃除が大変なことです。

ガスコンロはIHのようにフラットになっているわけではなく、凹凸も多くコンロ台も取り外して掃除しないといけません。
また、ガスの出方によっては煤がこびり付く場合もあるのでなべ底が黒くなってしまうこともあります。

火を使うので火災の注意が必要

直火を使うガスコンロなので、とにかく火元の確認は絶対です。

目を離して風呂場に行くことすら危険な場合もありますし、ガス漏れなどで大惨事になるリスクがありますね。

IHコンロのメリットは?

それでは遠赤外線効果がないIHにはどんなメリットデメリットがあるのでしょう。

湯を沸かすスピードはIHが速い

IHの最大のメリットは、加熱のスピードです。

炒める・焼くのはガス火の方が若干早いそうですが、
熱効率が高く加熱速度は速いです。

とくに水物を沸かしたり、煮込んだりする場合はIHの方が断然早いです。

部屋に熱がこもらない

IHは、遠赤外線効果がないので熱がこもりにくいです。

夏場にガスコンロの前では、冷房を付けていても汗が噴き出てくるなんて経験したことありませんか?

鍋自体を発熱させる仕組みとなっているため、周囲の温度への影響もほとんどない上に、空気を汚すこともありません。

安全性が高い【火災の心配】

IHが絶対に安全とは言い切れませんが、ガス火よりかは直火を使わないのでリスクは低いと考えられます。

IHでもIHプレートにヒビが入ってしまって感電や火災の危険があるので注意は必要です。
とは言え安全性で言えば比較的低いです。

IHコンロのデメリットは?

鍋振りが出来ない

IHでは、コンロと鍋がIHに接着している必要があるので鍋振りは出来ません。
「鍋振りをしなくても美味しく出来ますよ!」という意見もあります。確かに1人前だけの炒め物であれば何とか混ぜることが出来るでしょう。しかし、2人前、3人前、と量が多くなるとヘラだけで食材をひっくり返すのは大変ですし焼きムラはできやすいです。

炒め物やパスタなどは特にこの鍋振りでの攪拌はポイントになってきますので、料理上達向けの人には鍋振りが出来ないのは致命傷ですね。

火加減の微調整が出来ない

目視して加減を調整できる直火と違い。

IHコンロは、1~10段階のボタン式で温度調整をすることがほとんどです。
火が見えないので鍋の中の食材の具合を見て調整するしかありません。(結構難易度高いです)

故障で新しいIHコンロにするときもメーカーによって火加減が変わってくるのでまた感覚をつかむのにも時間がかかってしまいます。

\合わせて読みたい料理の知識/

まとめ

IHもガスコンロもメリットデメリットはあります。

私のサイトは、若豆クッキングなので料理上達に関して言うと断然ガスコンロ一択です!

掃除の楽さや熱効率の高さなどの利点で選択するのもよし、鍋を振って美味しい料理を手掛けたいと思うのもよし、自分の価値観で選択してみて下さい。

参考になれば幸いです。

料理を楽しく・ラクにする便利料理器具

CTA-IMAGE 持ってて得する!板前が家庭でも重宝する調理器具を紹介