味噌汁は沸騰させると不味くなる理由|沸騰してしまった時の対処法【プロの技】

日本人なら好んで召し上がる「お味噌汁」ですが、

実は、「お味噌汁を沸騰させることはNG」なんです!

冷蔵庫に入れて保存していたものを温める時にうっかり沸騰させてしまったり、
ついつい沢山作ってしまいがちで2日目など衛生面も考えて加熱殺菌処理したくなりますよね。

作りたてが一番美味しい味噌汁ですが、「沸騰させるとなぜ不味くなるのか」という理由と保存で使う時に誤って沸騰させてしまった場合などお味噌汁に関してのお話をしていきます。

若豆

調理学校卒⇒某ミシュラン和食店⇒海外で寿司経験後、家業を継いだ若大将。現在はライターと寿司屋の4代目若として活動中。

ここでは、初心者から料理上達を目指す方まで、料理の楽しさから便利になる豆知識・基礎やプロの技まで、料理に関する有益な情報を投稿中。


味噌汁は沸騰させると不味くなる?!

おにぎりとお味噌汁・漬物といえば、もはや日本家庭料理の原点といっても過言ではないかもしれませんね。つまり知らない人は居ないくらい有名なお料理ということです。

温かいお料理は、しっかり温めてと言うのがみなさんの基本概念かもしれませんが、
100℃まで沸騰させるほどの加熱で美味しくなくなってしまう料理も沢山あります。その一つが「お味噌汁」なんです。

「衛生的にしっかり加熱させてください」という話を聞いている人は、「なんで沸騰させないの??」と思うかと思います。

しかしながら、実際沸騰させたお味噌汁を飲んでもさほど不味いとは思わないのが現実です。

しかし、一杯だけ別に沸騰させて飲んでみて下さい。
飲み比べて見ると結果は歴然!!

なぜこんなにも違うのでしょうか?

お味噌汁を沸騰させるとダメな理由

お味噌汁を沸騰させると不味くなる理由は、いくつかあります。

味噌の風味がなくなる

味噌が樽の中で熟成させる間に、酵母によって糖をアルコールやエステルなどの香り成分に変化されるのですが、沸騰などによる高加熱でこの香り成分がなくなってしまうのです。

アルコールなどの香り成分は、90度以上になると気化する性質があり、もちろん水が沸騰する温度100℃で味噌の風味も揮発してしまいます。

高加熱により旨味成分が分解される

大豆を原料とした味噌は、樽の中で熟成されて米麹の酵母が味噌の中の糖を香り成分へと変化していきます。旨味成分のタンパク質も含まれるのですが、65℃以上でこの旨味成分が分解され始めてしまいます。
温度が高ければ高いほど味噌からこの旨味が溶け出しにくくなってしまいます。

誤って沸騰させてしまうと溶き入れる段階で味噌の旨味を引き出せなくなってしまいます。

酵素・乳酸菌が死滅する

発酵食品である味噌には、乳酸菌や酵素が豊富に含まれています。

その酵素や乳酸菌は、加熱に非常に弱く、沸騰させるとほとんどが死滅してしまいます。

酵素をそのまま体に取り入れるローフード実践者の中では、60℃以下で味噌を溶か仕入れて酵素や旨味成分を生かす人も居ます。

また60以下の暖かい状態で食べる直前に溶き入れるのも健康の一工夫ですね。

味が濃くなる

皆さんご存じの通り、味噌は一般的に塩分濃度が高い調味料です。

沸騰するということは、水分が蒸発していっているので段々と煮詰まってきてしまっています。

しょっぱくて、味噌の風味もないものを味噌汁といえるのでしょうか?

お味噌は火を止めて溶こう!

ここで「味噌汁を作る時のポイント」を紹介します。

入れる具材を加熱した場合は、出汁を沸騰させてそこに具材を投入して加熱してください。
その後、火を止めて65℃以下になってから味噌を溶き入れましょう。
(時間がない場合は、一旦火を止めて洗い物でもしてから味噌を入れてみて下さい。最低でも火を止めてからですね^^)

※定番の豆腐は、崩れやすいのでカットしてから水に晒して水を良く切ってから味噌の味を付けた最後に入れるのがおススメです。

沸騰させてしまった時の対処法

味噌汁を誤って沸騰させてしまった場合は、慌てないで下さい。
対処方法があります^^

少し出汁を加えた後に少しずつ味噌を味見しながら再度溶き入れて下さい
少量でも飛んでしまった味噌の風味と味を復活させることが出来ます。

また、ネギや柚子などの薬味で香りをカバーするのも一つの手段です。
赤だし味噌であれば、山椒も合います。 他にも、七味唐辛子や柚子胡椒など味噌汁に加える香りづけの薬味は沢山あります。

まとめ

味噌汁を沸騰させると旨味成分が分解されてしまって本来のおいしさを引き出せないだけではなく、味噌のいい香りも失われてしまいます。

酵素や乳酸菌が死滅することで本来の栄養価ともほど遠くなってしまいます。
発酵食品は、本当に体にいいのでその栄養も存分に楽しめるように、

そして、

家庭で作り置きをすることも多々あると思います。
その際は、少し溶き足してみる方法を実践してみて下さい。

是非参考にしてみて下さい。

\別ページでお味噌の情報も載せてます/

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