野菜を茹でる時に塩を入れる理由|野菜・パスタを茹でるときの塩の意味はなに?

ほうれん草や菜の花を下茹でする時、又はパスタを茹でる時に「塩を入れましょう」。

と言われることありますよね。

「なんで塩?」「味付け?」って思ったままなんとなく塩を入れてませんでしたか?

料理工程にはすべてに理由があります。もちろん塩を入れるのにも意味があるのです。
今回は、下茹での時に入れる「塩」について解説してきたいと思います。

若豆

調理学校卒⇒某ミシュラン和食店⇒海外で寿司経験後、家業を継いだ若大将。現在はライターと寿司屋の4代目若として活動中。

ここでは、初心者から料理上達を目指す方まで、料理の楽しさから便利になる豆知識・基礎やプロの技まで、料理に関する有益な情報を投稿中。


葉物野菜を茹でる時に塩を入れる理由

「料理は化学」、料理一つ一つの工程には必ず意味があります。
ゆで汁に塩を入れるのにも理由はあります。 

いくつかありますので、一つずつ解説していきましょう。

色出しをするため

ほうれん草の色素は、葉緑素とも言われるクロロフィルです。酸に触れると分解されて緑色の色素がなくなっていく性質があります。

例えば、お吸物や煮物にそのままほうれん草を入れると調味料として使っている醤油や味噌は酸性であるためほうれん草の緑色は落ちて黒っぽい黄色になります。

また40℃や50℃の暖かいお湯でほうれん草を加熱するのも黄褐色にする要因になります。
jほうれん草に含まれる酵素のオキシターゼは、クロロフィルを分解してしまう酵素です。オキシターゼは、40℃の暖かいお湯で活発に活動をします。

したがって、ほうれん草などの葉のも野菜は、クロロフィルを多く含むので出来るだけ暑いお湯でサッとゆでる必要があるのです。

塩を入れるとどうなるの?

つい最近までは、塩を入れることでクロロフィル色素が安定すると言われていましたが、実際私が毎日お客様の料理をしていて塩を入れなくても入れても同じくらい緑色を保つことができます。

色出しはボイル工程に重要さがあるのですが、塩を入れることで変わることは、沸点の温度です。

塩水と真水では、冷える温度も沸騰する温度も違います。

皆さんがご存じの真水は100℃で沸騰しますが、塩水は沸点が100.4℃まで上昇します。

つまり塩を入れた方が0.4℃の差ですが、沸点が上がるのでより高い温度でボイルができるのです。
ほうれん草もできるだけ高い温度でボイルする方がオキシターゼの効果も薄れるので綺麗な緑色を保つことができます。

栄養素が逃げにくくなる?

塩を入れることで浸透圧により、栄養素が塩分を含んだゆで汁に流れにくくなります。

浸透圧の話は別ページへ

【和え物の保存】 プラス豆知識 

和え物は塩分が多く、醤油や出汁の酸の影響を受けやすいので、変色や脱水を防ぐために
食べる前に和えてしっかりと和え衣を絡ませてから召し上がると美味しい和え物ができます。

作りすぎてしまった場合、和えるのは必要分だけにして和え衣を食材を別で保存しましょう。

和えて保存すると次の日は、食材から水分も流れ出て味が薄くなり又、変色の可能性もあります。

パスタのゆで汁に塩は?

上記で説明した沸点が上がる理由が一つ、パスタを入れると温度が下がりますが、沸点が高いお湯では温度変化が少なくて済むので一定の温度でパスタを茹でることができます。

もう一つは、パスタの原材料にあります。

パスタの原料である小麦粉はタンパク質の「グルテン」が含まれるのですが、塩にはたんぱく質の凝固作用があります(ハンバーグでひき肉を混ぜる前に塩を入れて混ぜるように)。

塩を入れたお湯でパスタをボイルすることで小麦粉のタンパク質を程よく固めてシコシコしたパスタに仕上がります。

パスタに味付けをする

ソースを絡めないパスタやペペロンチーノを作る際に単に麺に味付けをする意味もあります。

茹でる時の塩が味付けのベースになります。

塩の適量を説明します

100gのパスタを茹でるときに1ℓ程度の水が必要なのが一般的です。
対する塩の量は、1ℓの水に対して小匙1杯【5g】の塩が適量です。

塩分濃度が上がると沸点も上がるので味付けも加味して、塩の分量を調節してもいいともいます。

まとめ

ほうれん草などの葉物野菜は、しっかり沸騰した多めのお湯で塩を入れ沸点を上げボイルしましょう。

ボイル後は、冷たい氷水で急冷することを忘れずに!

見た目も味の一つ! 綺麗な緑色を保ってあげて下さい。

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